素材、素材っていうけど、
好みの問題じゃないんですか?
…と、聞かれたことがあります。
私は「〇〇」が嫌いだから、クロスでいいです…とも。
確かに好みの問題です。
で、なにが違うのか?
それは敏感に感じとれるかどうかで違ってくるような気がします。
視覚だけで感じとると、
見た目が似たものなら予算に合わせて…となってしまいがちですが、
素材によって、空気感が変ります。
石だとひんやりした感じ、どちらかというと金属的な冷たさに近いかな…。
土だと、引き締まった空気の中に何となく柔らかさが、
紙だと、空気も見た目もぼんやりと柔らかくなり、
布だと、もっと柔らかく、温かい感じがするかな。
木だと、材種にもよりますが、温かさに加えて、
視覚的な柔らかさと嗅覚を刺激する木の香りが漂います。
何となくわかる気がしませんか?
特殊な技術ではありませんよ。
たぶん、気持ちの余裕です。
そして今の建築の内装仕上げ材のなかで
最もポピュラーなビニールクロス、これはどうでしょう。
空気感ってあるかな?
強いて言えば、クロス糊の臭い?
もちろん素材による効果だけでなく、
人間の感覚に訴える装置はいろいろありますが、
よりシンプルな空間では、
そんな空気感に印象のすべてが支配されることも多いです。
空間にとって、
視覚は一番表現しやすく、訴えかけ易い感覚なのかもしれませんが、
空気感…っていう観点から素材を選んでみると、
日々の生活にもいい意味での繊細さが生まれるのかもしれません。
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