点前座の下がり天井。
建築一般には、下がり天井ということが多いので、
私もつい下がり天井と言ってしまいますが、
お茶室の本では、落天井と書かれていることの方が多いようです。
客座に対して一段低くすること、
また、粗末な材料をつかうことで下座を表している…と言われています。
その点前座の天井の真菰(まこも)が張り終わりました。
(若干の手直しはありますが…。)
真菰はイネ科の多年草で、
古くは日本人の衣食住のすべてにわたっての生活に欠かせない存在だったものが、
神事や仏事でも使われるようになり、
藁が簡単に手に入るようになってからは、
生活に欠かせないものは藁にとって代わったものの、
神事や仏事では引き続き使われ、
徐々に、あまり使われないものから貴重なものへとなっていったようです。
草庵茶室…と言われるお茶室は、
当時の民家に使われていた素朴な材料で建てられたと言われています。
真菰もそのひとつですが、
いまや、建築材料として普通にある材料、普通に使う材料ではなく、
故に、粗末な材料でもなくなってしまっています。
茶室に使われる多くの材料がそうだと言っても過言ではありません。
しかし原点はあずまやであり、草庵茶室です。
今回は良い材料を見つけていただいたので使うことが出来ましたが、
原点を忘れずにいることが大切だと思っています。
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