一畳台目半板向切向板。
向日板があるから二畳敷+半板分の広さがる。
床はなく、下座に壁床、点前座の左手壁面に亭主床ならぬ点前座の前方左手壁に花釘を打って、
花を飾れるようにしています。
親しいお客様だけをお招きするための、
先生の分身というか、宝物というか、そんなお茶室のお手伝いをさせて戴きました。
こんないい意味でマニアックなお茶室のお手伝いが出来るとは思ってもいませんでした。
例えば、表千家の反故張りの席が1畳台目向板。
裏千家の今日庵も一畳台目向板。
ともに、床はなく壁床。
武者小路千家の官休庵が一畳台目半板で床ありだが、向板はない。
また、半板の幅は官休庵が約15㎝、こちらは24㎝。
この板の幅は、縁高を置いて両側が少し余る程度の幅に設定しました。
床の分と、半板の分で、同じぐらいの広さ感覚かもしれません。
今度、官休庵も見学して確かめてみたいと思います。
今回のタイトルはこの半板。
ここには、施主のこだわりが詰まっています。
縁高が置ける巾というのは私からの提案なのですが、
結果論みたいなところがあって、
施主からの要望は、
親しい人をお呼びするのに、
中板では少し遠いが、板がないと近すぎる気がする。
いい幅の板を入れて欲しい…とだけ。
結果的に縁高のおける巾のご提案になったのですが、
結構悩みましたね。
近すぎず、遠すぎず……のこの幅を決めるのに。
正直なところ、この時期、中板がちょっと遠い……という感覚が
まだ理解できていなかったんだと思います。
ところが、ちょうどこの時期、玉林院でのお茶会にお招きいただく機会を得ました。
そして、タイミングよく「蓑庵」を見学することが出来ました。
蓑庵は三畳中板入りのお茶室。
ここを見学し体感できたことで、
施主が言う、遠すぎず近すぎず……が理解できた気がします。
確かに、親しい人しか呼ばないお茶室で、
しかも二畳の広さで、中板の距離感というのは、ちょっと遠い気がしました。
先生の分身、または宝物のような感覚だから余計です。
で、結果論の縁高が置ける板幅が絶妙な距離感に。
偶然その時期に玉林院でお呼ばれできたのも、何かのめぐりあわせだと思います。
距離感がとても大事だということを勉強させて頂きました。
ありがとうございます。
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