廃墟趣味とか、廃墟感覚という言葉を思い出した。
建築の世界でも「廃墟」と言えば、昔からマニアが存在し、
その魅力に取りつかれた人は多い。
「廃墟」とネットで検索してみると、
そのマニアたちは、1980年代の日本で生まれた…と書いてあったので、
どうやら私が大学で建築を学んでいたころに生まれ、
熟成されてきたということか。
wikipediaより
そういえば、 ↑ 軍艦島をテーマに卒業設計をした同級生がいたことを思い出したが、
軍艦島と言えば、廃墟そのもの。
廃墟以外の何物でもない。
だが、いまや、その廃墟を再生し、
店舗や諸々の施設になっている建物がごまんとあり、
それぞれにいい雰囲気を醸し出している。
それらの建物は、
古さ…を前面に押し出していたり、
古さのなかに新しさを埋め込んでみたり…と、
その手法は様々だが、
やはり、元々の建築の持つポテンシャルが高い建物程、
再生してもいい施設になっているケースが多いような気がするが、
ポテンシャルは低くとも、それをうまく引き出している例もたくさんあって、
参考になるものも少なくない。
建物のポテンシャルが高かろうが低かろうが、
そのポテンシャルに気が付いて、うまく生かすかどうかは、
そこに関わる人がもつ繊細な感覚のさじ加減であり、
本来は、センス…という言葉で片付いしまうところだと思っているのですが、
いろんな局面で、
このセンス…という言葉の重みがだんだん薄れてきている気がしていて少々気がかりです。
まぁ、簡単に言えば、技術がいろいろ進歩して、
職人さんやセンスのある人しかできなかったことが、
素人でもそれに近いことができるようになって、
そこの差に気が付かず満足し、
勘違いする人が増えた…ということことなのかな?
…と、 ↑ の施設の前を通りかかって、
そのあと乗った電車の中で、そんなことを考えていた。
それと、
この建物の奥にはカフェがあったようですが、
この暑さの中歩いたあと、
なぜそこで一休みして、
雰囲気を確かめることをしなかったのか?
ちょっと心残りです。
たぶん、暑さのなか、
早く駅にたどり着くことだけを考えていて、
他のことを考える余裕がなくなっていたんでしょう…。
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