先日竣工したK邸。
建っている地域やロケーションにも左右されるんでしょうけど、
旅館みたい…という声が結構あるとか…。
どう思おうと自由なので、
その感想に対して私が口をはさむ余地もないし、
旅館みたい…と言われることに対して異論はなく、
むしろうれしい気持ちもあります。
でも、この建物は旅館みたいなのだろうか?
…という問いには少々の異論はあります。
この外観は、京都市の景観の規制によるところも大きい(もちろん私の思いも入っていますが…)ので、
これが旅館なら、京都市で同じような規制を受けている地域はみんな「旅館みたい…」になってしまう。
一昔、いや、ふた昔(…もっとかな?)ぐらい前の日本ではこんな建物はおそらくあちこちで新築されていたはず。
でも、これが旅館に見えるということは、
いかに人々の目が、
ハウスメーカーや建売住宅のハリボテ建築に見られる外観(石山修武さんはショートケーキ住宅と呼んでいましたが)
にならされてきたか…ということの現れであるように思います。
長い時間をかけて培われ、受け継がれてきた日本の建築文化、住宅文化の根っこの部分を踏襲しているのは、
間違いなくショートケーキ住宅であるはずはなく、おそらく ↑ の写真のような建物だと思うので、
ここ数十年で一気に住宅に対する認識が変わってしまったことになります。
これって、結構重大なことのように感じているのですが、
知人と話すと、そうでもないような中途半端な返事。
聞いた人がわるかったようです。(>_<)
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