引っ越しが完了したお宅にお邪魔しました。
クライアントというか、クライアントの隣に住むご家族の感想…は、
「旅館みたい!」
なんとなく、今回も…という感じは否めませんが、
とはいえ、その落ち着きを感じる雰囲気から、
ご家族、特に2歳のお孫さんが、自分の家と思って入り浸っているとか…。
お孫さんが嫌がる雰囲気でなくてよかった…と思う反面、
せっかくの一人の時間が結局邪魔されてしまうのか…と、
恐縮する次第ですが、
お孫さんが入り浸るのも永遠ではないので、
やっぱり喜んで来てもらえるぐらいが方が良いのだろうと思うことにします。
内装は決して旅館然としたものではなく、
クライアントのご希望もあって、洋風に振ったディテールです。
引っ越しが完了し、すっかりクライアントのカラーが注入されているので写真は遠慮しますが、
いたって普通の内装ですよ。
とんがった雰囲気が好きな方には、おそらく物足りないぐらいだと思いますが、
私が求めているのはそこで、クライアントの好みをプラスしていただいて、
完成してゆく楽しみを私も感じさせて戴いています。
私が考えた雰囲気を大事にしていただいて、
引っ越しされても当初の雰囲気をかたくなに守ろうとして戴ける方から、
あっという間にご自分のカラーに変えていただける方までさまざまですが、
今回は、もともと使っておられた結構主張の烈しい部類の舶来のリビングボードを入れた関係もあり、
あっという間に施主のカラーに。
こういった出来のいい家具は、奇抜な色や素材を使ってないものなら、
そんなに意識しなくても意外とどんな空間にもマッチするので、安心感があります。
そして、「いちご泥棒」のカーテンが思いのほかマッチしていて、
私にとっても新しい出会い、とてもいい雰囲気になっていて、
私もすっかり落ち着いて、話し込んでしまっていました。
何となく、まだまだ白々しいな…と思っていた木の色も、
少しづつ落ち着き始め(まだまだですが…)、
照明が入ることで、想定通りのいい色目となっています。
もう少し落ち着いてくると、もっと…なんですが、
そこは、徐々に落ち着きを増す変化を堪能いただければと思っています。
で、「旅館みたい」の原因を以前からいろいろ考えますが、
昨今のハウスメーカー住宅、マンション、建売住宅の真っ白な内装を見慣れた目には、
壁にかなりの色がついていると感じると思うので、そんなことが影響しているのかな…とか、
造作が白木というのも、既製品の木目のシートを張ったり、
単板に色付けしたドアやドア枠を見慣れた方には、
そんな風に映るのかな…と思ったりしていますが、実際ははっきりしていません。
ただ、一般の方がそういう目になっているのは確かなので、
無難な白…とか、とりあえず白…とか言った壁の選び方や、
既製品の弊害というのが進んでいるのかもしれませんね。
そうそう、今回、作ってもらっていた椅子とをテーブルの完成品を始めてみました。
照明の関係で少々赤く映っていますが、テーブルがこれ ↑ 。
脚の取り付け方が特徴ですが、
機能を追求するとこうなりました。
手前左側が、今回作った肘なし椅子。
手前右側の椅子は以前使っていた椅子。
長居する人も多いから、想定以上に椅子が要る…と、
今は以前の家具と混在していますが、
色目が近いからか、写真で見るほどの違和感なし。
そして、後ろの出窓の窓台が、お孫さんの指定席。
海外の住宅の窓にはこんな窓台があって、
子供たちはここに座って本を読むのが一般的だとか…。
↑ これが今回作った肘掛け椅子。
試作での検討を含めて、いろいろ検討した結果として、
最後の最後に、着物の袂が引っ掛からない形状に変更。
机も椅子も、すごく使いやすい…との感想をいただきました。
お心遣いを差し引いても、
喜んでいただけたことに変わりなく、有難くお言葉を頂戴いたします。
製作いただいた寿産業の岩谷社長に感謝。
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