券がある…ということでお誘いいただき、
南宗寺の利休忌茶会へ。

数日前までの寒さから一転、
いいお天気でいい陽気、絶好のお茶会日和。
織部の作庭…と伝わっているらしい枯山水を横目に
まずは一席目の待合へ。
お天気が良くていい陽気といっても、
まだまだ冷たい空気が容赦なくつま先を攻撃していましたが、
陽気のせいかそれに気づかずに居たら、
途中、陽の光を存分に浴びていたぬれ縁を歩いた時に、
春のような陽ざしに温められた板の表面が、
あたかも床暖房のような暖かさを足元に伝えてきて、
心地よさに思わずほっとしたことで、
微妙な足の冷たさにようやく気が付いた次第。

武者小路千家の濃茶席の後、法要に参加し、
その後、裏千家と表千家の薄茶席の順に廻ることに。
まずは、実相庵にて武者小路千家の濃茶のお席。
武者小路千家の席主さんをよく知っていることから、
和やかな話に、いい勉強をさせて戴きました。
お呼ばれした後、
実相庵の小間茶室を少しばかり見せて戴いて、さらに勉強。
利休好みと伝えられる小間で、
戦争で焼失したのち、昭和36年に再建されたお茶室。
二畳台目、台目切で下座床。
二畳台目の出炉なので、茶事をするとしても入れるのはせいぜい3~4人か。
風炉の時期ならなんとかもう少しは入れるかな?
でも、やっぱりお茶事となれば炉の方が…という方が多いのも事実。
それなりの人数を想定すると難しいんだけど、
そもそもこのサイズの小間は
プライベートな少人数の客人をもてなすための小間と考える方が何もかもが明解になるということでしょう。
大人数の茶事というのは、昔はなかったでしょうから。
中柱は、あまり見る材種ではなかったのでわからなかったが、
百日紅…とか、そんな感じにも見えた。でも、ちょっと違うだろうな…。
点前座袖壁の壁止めは竹ではなく、木。
中柱の材種とか、こういうところは、
再建したときにどれだけ忠実に再建したかで変わってくる気もする。
二畳台目の広さで、
茶道口と給仕口ともにあって、躙り口の上には連子窓。
加えて、一軒間幅で貴人口のような、内法までの高さの引き違い障子もあるので、
壁は少なくてかなり明るい。
そういう意味で、利休好み…といわれると少しイメージが違う気も…。
壁が少ないので、給仕口は引き戸に出来ず、不審菴の茶道口のような片開き。
天井は平天井のみで、二畳のため低く抑えているのか、
普通のお茶室の平天井よりも、さらに低めに感じたが、
終始立っていたし、明るくて天井が鮮明に見えたために近く感じただけかもしれない。
そんなお茶室でした。
暫くして法要が始まったことから、外回りは見れなかったけど、
外回りは又見れる機会がありそうだから、まぁいいか。
いろいろ感じ取れたことが勉強で、私はこの時点で大満足。
私の今回の南宗寺訪問の目的はほぼ達成。
ありがとうございました。


…で、
あとは、残る二席で美味しく薄茶を戴き、未熟なお茶の勉強をさせて戴くのみ。
今日は、知人に連れて行ってもらったこともあって、
お正客に座ることもない…はずなので、変な緊張感もないしね。
でもね、今日のところは安心なんですが、
明らかに私よりお茶の経験が豊富でお茶のことをよく知る方々ばかりの中で、
ほぼ素人の私がお正客っておかしくないですか?
そんな方がたくさん居られるの中で場違いも甚だしい話です。
もういい加減、男性だから…という理由だけでお正客に座らせるのを辞めて戴けないものでしょうか。
頑なに断ることで、変な時間と空気が流れることほど無駄なこともないので、
そんな立場にないことを承知の上で、仕方なく言われるままに座りますが、
断っても断っても結局…、っていうことが多いからの話で、
断って済むなら断りますよ、私だって。
…っていうか、断ってるし。
やっぱり、ちゃんとお正客としての受け答えが出来る方が上に座るべきだと思います。
その方が席主さんも楽ですよね。

境内では、梅が咲きほんのりと梅の香りが届いたような、届かなかったような…。
そして、迫力のある瓦土塀の時間の経過を物語る表情が、
何とも言えずその存在感をはっきりと主張していて、
より強く、そして美しく見えました。
追伸。
お茶会での記念撮影の掛け声は、
「はい、お茶会!」だそうです。
ありがとうございます。
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