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當麻寺中之坊 丸窓席から知足庵

 

続き。

 

 

丸窓席の室内に戻りますが、他にも不思議なところがあって、丸窓の面、向かって右の躙り口の面、そして今覗いてる掃き出し窓のある面のそれぞれの障子の組子の形がバラバラなんです。

 

丸窓にはまってる障子の組子は正方形。

躙り口の面は、横長の長方形。

掃き出し窓の面は、縦長の長方形っていう風に。

 

こういうのって、特に決まりがある訳ではないけど、全部違うってあんまりないと思います。

小間茶室の場合、横長の長方形が多くて、その横長で障子の組子のプロポ―ションが統一されてるケースが多いんです。少しずつひと桝の大きさとかは違ったりしますけど、横長だったり、縦長だったりっていうのが珍しいし、そもそも、障子の組子が正方形っていうのもあまりない。だからへぇ~って目に付いちゃうのかも。そうういう目で見ると、掃き出し窓の縦長長方形の組子もお茶室ではあまり見ないかも…。

 

 

躙り口の背後側に蹲があって、その向こう側が、向こう向きに腰掛待合。

 

この腰掛待合の壁の色と向きが不思議。

なんで、丸窓席に背を向けるような感じの方を向いているんだろう?

 

丸窓席のさっきのややこしい建具の向こう側がこの腰掛待合の左側になるので、その部屋もお茶室になってて、そこの腰掛待合も兼ねてるのかな?

 

それにしては、壁の色と言い、雰囲気が違いすぎていて、どう見ても丸窓席の腰掛待合にしか見えないんだけどね。

 

 

躙り口は、外から見ると開き戸。なかから見ると、障子でした。

 

障子が入ってるので、この開き戸は単なる雨戸で、お茶室を使うときは開け放ってるのかもしれません。千家流というよりは、その後の武家流に振ったとお茶室では、光の取り込み方も随分変わりますからね。

 

…ということは、この丸窓席は、使うときにはそれなりに明るいのかも…。

これは、この状態の見学では計り知れ間ませんが…

 

どこかで、障子の躙り口を見たな…と思って思い出そうとしたけど、見る方に必死で意識が簡単には記憶の方まで回らず、すぐには思い出せなかったけど、帰りの車を運転しながら、突然、あっあそこだ!…と思い出しました。 

 

あそこは、歴史的な意味がこことは全く違うお茶室で、障子の外側はガラス戸でした。歴史的な意味が全く違うので、敢えて名前は出さないで置きますけどね。あ、歴史的な意味は違うけど、どちらがどう…という意味はなくて、時代背景もとお茶室に考え方も全く違うお茶室だと思うので、比べられないという意味です。悪しからずご了承下さい。

 

床が高いから、躙り口も高くなって、当然、踏み石も高くなります。

 

 

で、腰掛待合。 ここも当然丸窓。丸と四角の下地窓のバランスが不思議。

難しい開け方してますよね。

 

また、柱の位置も不思議。

半分でなく、1/3でもなく、3/5ぐらいの位置。なぜ?

 

こんな時に疑うのは黄金比…ってことが時々あるけど…。

ん、そういえば、向かって左側の壁は黄金比っぽくない…?

 

確認はしていません。

 

この待合、踏み石もないし、何かにつけて、やっぱり不思議。

 

それと、時代的に古い建物っていうのもあるかもしれないけど、當麻寺全体が割と地味だから、ここの壁の色がひときわ華やかでいい色に感じました。

 

 

「丸窓席」は上げ台目切の四畳半。点前座だけを見ると、ちょっと小間っぽく見えます。

こうなった時の真ん中の半畳畳は、私なら写真で縦に入れたくなるんだけど、どれが正しいんでしょうね?正解はないのかな?

 

ちなみに、丸窓の手前側に半間幅の奥行の小さな床の間がありますが、この形も不思議。写真はないけどね。

 

 

丸窓席を通り過ぎ、次に見えてきたのが ↑ 「知足庵」。ここは、二畳中板のお茶室。

「足りるを知る」…か。二畳中板の狭小のお茶室にこの名前…というのが奥が深い気がしますね。

 

リーフレットによると、一対一で客人をもてなすのに石州が特に好んだとされる名席…とありました。

 

私の個人的な感覚と、過去に設計させて頂いたお茶室の施主さんとの話を総合すると、三畳中板ならまだしも、この二畳中板で、しかも台目切のお茶室というのは、茶事…ということを考えるとあまり使い易いとは言えないのかな…と思っています。やっぱり三畳以下は入炉の方が使い易いんだろうな…と。でも、リーフレットにあるように、一対一ならそれはそれでありですよね。一対一の茶事って、なかなか想像が難しいですけどね。

 

 

これはこれで、また珍しい…というか、意匠的に難しいお茶室で、向かって左、正面、向かって右…と、この三面には化粧柱が立っていません。だから、左右は一間、正面は、一間+一尺四寸が持ちっぱなしになっています。構造的にはそれで十分待つでしょうが、それぞれの展開図を考えると、どこかに一本でも化粧柱があってもいいような気がします…というか、私ならどこかに入れる。

 

例えば、左側の面なら、洞床を諦めて床柱を立てる…とか、

右側の面なら、丸窓席の茶道口と同じように、茶道口の戸尻側に立てる…とか、

正面の壁なら、下がり天井の桁を請ける位置か、こちら側がその位置に入っているので、敢えて中板の逆側の端に絡めて入れるとか、中央でもありなんじゃないかな、で、二つの窓をその柱に絡めた方が安定して見えるんじゃないかな…とかって考えます。

 

柱がないことで、好きなところに開口を開けられるのですが、それがかえってとりとめがない感じ、安定感に欠ける雰囲気になってしまっているんじゃないかな…と思うのですが、その辺が凡人の浅はかさ…なのかもしれません。

 

点前座の左側には、道庫になっているのか、道庫にしては大きめの障子が入っていて、その組子もこの大きさのお茶室にしては珍しい大きさとなっていました。

 

どちらのお席も、不思議に包まれたお席でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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